コングレは国際会議などの通訳を養成する学校です。通訳コースの他に英語力を強化する週二時間×2回=36回のコースも持っています。またスキルアップといってリスニングやコミュニケーションなどを磨く週2時間18回コースもいくつかあります。翻訳コースもあります。料金は週二時間×2回コースで14000−18000円ほど(土曜日や平日夜は高い)。この他に入学金が31500円かかります。なお通訳コースはもっと高いです。ただし、現在はかなりこの英語強化コースの構成が変わってしまったので、同じ名前のクラスはありません。
英語プロフェッショナルコース
レベルは英語エッセンシャルコースレベル1→2→3→英語プロフェッショナルコース1→2→3となっています。学期の最後の方にテストがあり、このテストと日常の授業の様子から、担任が次のレベルにあがれるかどうか判断します。週2回で別々の講師が担当しますが、どちらかが生徒指導をメインに担当します。私は土曜日の午前午後に週2回分を一日でやってしまうコースを選びましたが、途中で一時間昼食休憩があり、みんなでカフェに行ったりするのでみんな仲良く、楽しかったです。
一部のクラスを除いて、入学するときにはレベルチェックがあります。英語コースのレベルチェックはLL教室で各自で20分ほどのニュースのテープを聴いて、質問に答える形式でした。その後ネイティブの先生とのインタビューが10分ほどあります。私は2002年10月入学しました。レベル判定は英語プロフェッショナル2でした。その年の3月のTOEIC-で980点を、その年の6月の英検一級に受かったときです。このレベル判定は、レッスンが始まって1ヶ月以内なら、担当の講師と相談の上変更することができます。
レッスンはネイティブ向けの雑誌や新聞、ニュースを使用しますから確かに結構難しいですが、このクラスに入った印象は、パンフレットから受けたイメージほどではないなというところでしょうか。レッスンメイトさんは、実際に英語を使って仕事をしている人が大部分ですから確かにかなりのレベルです。中には旦那様がアメリカ人の方もいました。途中ででてこなくなる方、自己申告で下のレベルに移る方などなどをへて、最終的に残った方については妥当なレベルわけだったと思います。
レッスンは4回で一つのテーマに沿って行われています。一週目はタイムやガーディアンなどの記事のリーディング、2週と3週はCNNやBBCのニュースをリスニング、4週目はまとめでパネルディスカッションやプレゼンテーション、ディベートなどをやります。第4週以外は、ワークシートに沿って行われます。リスニングは最初ニュースの中の少々難しめの言葉を聞き取ってその意味を教え会う。その後インタビューものだったら、それぞれの人の主張をまとめる、あるいは文のキーワードが抜き出してあって、そのつながりを聞き取る、一部をノートテイキングして自分の言葉で言い直して口頭で発表、たまにディクテーション。LLルームも時々使って、口頭で要約を吹き込んだりしました。プレゼンテーションやディベート、パネルディスカッションは、講師と共に他の生徒さんからのフィードバックがあります。
宿題は、次週からのテーマについての下調べやリーディングの宿題が課されることがあります。またSelf
studyといって、自分でテーマを決めてやる宿題もあり、学期に二回集めて添削やアドバイスが返ってきます。
テーマは最近の映画の傾向などというものもありあますが、比較的固く、アフリカ諸国の抱える問題とか、イスラム社会での女性の現状、医療保険制度、犯罪集団の国際化、NATOの役割などなど。
後半の途中に、リスニングとリーディングの試験があります。
途中で2回担当講師からガイダンスがあり、事前に書いた質問事項や自己評価を元に15分ほど担当講師と面接をします。後半のEnd
term guidanceは試験の後にあり、試験結果と普段の授業での様子からSpeaking,Listening,Reading,Writing,Othersの計31項目に渡って5段階で評価された成績表が渡され、次の学期のレベルが告げられます。ちなみに私はWritingの7項目がすべて3、あとは4でした。
次の学期は進級してプロフェッショナル3へ行きました。やる内容は同じです。回りの生徒さんの英語力は少しアップしたように感じますが、大きく違うわけではないので、特にストレスは感じないです。ここから先はもう進級はないのですが、やはり試験があり、成績表ももらいました。
上級英語スキルアップコース
次の学期から上級英語スキルアップコースという週2時間だけのコースが土曜日の午前中にできたのでこちらに移りました。こちらは上級・中級という分け方しかしてなくて、上級はプロフェッショナルコース(私が入学したときは英語上級コースといっていた)のどこからもいけます。実際に来ていたのはほとんどがプロフェッショナルコースの3の人でした。このコースは内容はプロフェッショナルコースから、リーディングをのぞいた感じですが、2講座しか解説されてなくて同じ講師が担当していることもあって、比較的自由度が高く、新しいニュースを扱います。また中間ガイダンスで生徒の意見を聞いて授業の進め方やテーマに取り入れてくれました。そのぶん一貫性には欠けるような気がしますが・・・毎回冒頭にその週のニュースのヘッドラインからとった語彙クイズがあり、4週間ごとにレッスンで習ったニュースも含めて、語彙復習テストがありました。自分たちでニュースショーをつくってビデオ撮影するというのもやりました。テロの話題や年金問題から最新の話題映画、スポーツニュースなど一つずつ選んで、アンカーとそれぞれのニュースのレポーターやインタビューされる人を決め、原稿を考えて撮影しました。プレゼンテーションもテーマはまったく自由で、5分間ずつやりました。このコースには試験も成績表もありません。
ということでコングレには計1年半、3学期間いました。最後に通訳翻訳コースへの編入試験を受けて(コングレの生徒は無料だったので)、通訳コースなら通訳基礎科、翻訳なら翻訳本科Uと判定されたところでさんざん迷いましたが、違う空気を吸ってみようと、他の通訳学校に移りました。ちなみに内部の生徒の編入試験は、外のひとのとは違うようです。通訳コースは約50分ほどテープの指示に従って、英語を数センテンス聞いては訳を書くという作業が3つあり、その後日本語の数センテンスを聞いて英語に訳して書くという作業がやはり3つありました。翻訳コースも日英と英日両方3問ずつあります。
通訳学校系の英語コース全般に言えると思われる、特徴をまとめてみました。
○先生は外国人に英語を教える勉強をした方です。
○教材はニュースやTIMEやガーディアンなどの新聞を使ったオリジナルのワークシートです。たとえ進級しなくても少なくともテキストの同じところを10回やってうんざりすることはありません。
○話題は比較的硬派です。
○固定制で担任制です。同じ先生に教わった方がほんとうはいいと思うので利点ではありますが、担任やクラスメイトと合わなかったら避けようがないという欠点もあります。
○リーディング、ライティング(宿題をちゃんと出せば添削してくれます)、スピーキング、リスニングすべてをやります
○英語の4つの技能のうちスピーキングは自宅学習だけで伸ばすのが一番難しい分野だと思いますが、通訳学校の英語コースだけで伸ばすのは無理があると思います。ここに来る方は、最初からスピーキングに関しては、ある程度のレベルです。
○定員12人めいっぱい来ると、多く感じます。生徒同士の作業もかなりの比重を占めています。もちろんすごく刺激を受ける面もあるのですが、マイナスな面もあります。コングレはWEBでの評判などを見るとリラックスした雰囲気があるのではないかと思いますが、宿題のリーディングをやってない人と組んでしまうとかなりの時間の無駄になるし、お互いに違う記事を読んで要約しあう時などは、失礼ながら相手がたぶん正しく読みとってないというのがわかるときがあって、講師がチェックしきれないので不消化に終わることがあります。
○学費は少々高いです。
○通常都心部や大都市にしかないので、ほとんどの人にとっては通うのが大変です。私も片道一時間以上かかります。
コングレって
私はスパルタが大嫌いなので、コングレのリラックスした雰囲気が好きです。小さな学校のため、アットホームで、講師も受付のスタッフも人の名前を覚えてくれます。受付の対応も好感が持てます。
しかし、これは生徒の側の意識の問題ですが、やむを得ない場合をのぞいて遅刻はもうちょっと改善して欲しいところです。特に土曜日の午前午後集中コースは、どうせ夕方まであるという意識があるせいか、10時に先生が来たときは私1人だけということが何回かあって、最初の一時間近くは、数分おきにドアが開いては人が入ってきて、そのたびに講師は今何をやっているか説明を繰り返すし、後から来た人は既に出ている質問をまたするので、こちらは同じことを何度も聞かされるといったことが多く、少々辟易しました。