英検一級受験の対策

一次試験

学校へ行くことについて
 CELに一番最初に学校説明会で行ったときに江口先生が、「今、合格ラインまで5点以内だったら、十分次回の英検をねらえます。」といっていました。普通に仕事をしている人ががんばって英語の勉強をして、数ヶ月で延びる目安として確かに妥当だと思います。ただちょっと考えてみてください。帰国子女か何かで最初からそのレベルなら別ですが、私と同じように勉強してそこまではい上がって英語力を伸ばした人なら、英検一級合格まであと数点になるということは、通常勉強の仕方を知っていて、毎日勉強する習慣も身に付いていて、それなりに効果が出ているのではないでしょうか。で、そういう人はあきらめずに努力していけば、自学でも遅かれ早かれ合格すると思います。英検はたかが試験です。対策本もたくさんでています。特別な学校へ行かないと合格しないなどということは決してないです。

一次に三回落ちた私はかなり気分的に落ち込んでましたので、何らかの形で自分を鼓舞するものを必要としていました。CELは英検一級と観光ガイド試験だけの予備校ですから、みなはっきり目標を持っています。授業が始まる前にはかなりの人が先週の教材やパス単を広げて一生懸命なのがひしひしと伝わってきて、趣味の世界のNOVAとはだいぶ雰囲気が違います。授業はCELのページに書いてあるように毎回英検一級の半分サイズのテストから始まりますが、本番の英検の問題もそうですが、なかなか文体が凝っていて内容も興味深く楽しかったです。たぶんこれはNewsweekとかの記事なんでしょうね。私の興味の対象と違うので、自力で購読して読む気はしませんが、面白かったです。CELは毎回毎回オリジナル試験問題とその解説をつくっています。あれだけの大組織のくせしてオリジナル教材開発さえせずに、十年以上も同じテキストを使っているNOVAとは対照的です。試験問題と解説は、しっかり復習すれば勉強になります。江口先生の語りも軽妙だし、合間に挟む記事に関連した雑感も楽しかったです。CELは欠席したときは、同じ週の別に日に振替もできますが、授業が録画されているのでインターネット受講や録画したCDを借りることもできます。でもこの刺激を感じるために私は夜遅くなっても振替に授業を受けることにこだわりました。

 ただしどんなにいい授業でも、ただ週に一回行って受けているだけで英語力が上がるわけはありません。無駄なく利用して勉強して、絶対受かるぞという自覚をもっていないと、単なるお金と時間の浪費に終わる可能性もあります。語彙の不足している私にとっては、CELの授業を全部身につけるには、毎週10時間以上は復習が必要でした。


語彙:いわゆる一番最初の語彙問題に限らず、私の足を一番引っ張っていたのは語彙だと思います。リスニングもリーディングも、基本的にはできているのに語彙が英検一級レベルに達していないために、今ひとつ読みとりも聞き取りも正確さにかけるのを常に感じていました。(これはTOEICがある程度で頭打ちになった原因でもあると思います)ということで。一年間英検一級に向けて勉強していくうちに一番時間をかけたのが語彙増強です。

語彙集
英検Pass単熟語 1級  旺文社 
 熟語は少ないので全部覚えました。単語はRANK1は終わりましたが、RANK2は7割くらいでしょうか
英検1級に必ず出る英単語922と英熟語597 こう書房
 こちらは単語熟語共にランクA-Cまであります。単語はランクBまでは終わりましたが、ランクCは実用的でない単語が多いような気がして、2割くらいしかやってません。熟語も多すぎて、ランクAは終わりましたが、ランクBは9割ほど、ランクCは1割くらいです。
 語彙集は頻度別に並んでいますし、特にPASS単にでてくるくらいは、英字新聞を読むのに普通に使うことが多いので、やっておく価値はあると思いますが、ひたすら単語を詰めこむことになるので、忘れるのも早いです。かならず多読多聴をし、覚えた言葉は極力NOVAなどで使うように勤めて、定着させる必要があると思います。
更にCELの模擬試験も、道の単語や表現は必ず復習して覚えました。
このほかに、やさしいビジネス英語2001年のビニェットを、音読50回に挑戦しました。最初70回を目指したのです、すぐ挫折しました。やさしいビジネス英語は4−9月と10−3月は同じプログラムが繰り返されるので、前半で落ちこぼれた分は後半も頑張りましたが、結局50回できたのは半分くらいでしょうか。音読というのはものすごく時間がかかりますし、周囲に誰かいると恥ずかしくてできないし、なかなか完遂するのは難しいです。でもこうやって自然にストーリーと共に頭に入っていった表現が一番自然に残っていて、すんなり会話でも使えるような気がします。


読解/リスニング 特に英検のために勉強をしたわけではないのですが、ただひたすらたくさん読み、いくつかは精読もし、たくさん英語を聞き、CELの教材ややさしいビジネス英語や過去問題などは、原稿を読みながらしっかり細かいところまで聞き取る練習もしました。


作文 特別添削などはやってませんが、書いてみて模範解答と照らし合わせること。いい表現はまるごと覚えること。でしょうか。ということでCELの模試や英検一級の過去問題や「予想問題ドリル英検一級 旺文社」などを使いました。


時間配分 英検はTOEICよりはゆったりと受けていますが、私の場合TOEICもそうですが、ある程度できるようになるとだんだん時間がかかるようになってきて、時間切れを心配しながら頭に血が上った状態でやるという傾向があるので、時間感覚を体で覚えておくことは必要でした。過去問題や「予想問題ドリル英検一級 旺文社」で時間を計りながら取り組んでみることをおすすめします。


二次試験
 私はcelの二次試験コースですべて対策をやりましたが、別に学校に行かなくてもできると思います。過去問題や、よくでるテーマについて、下調べをし、スピーチの原稿を書いてみて、それを音読してみて頭に入れたら、原稿を見ないでストップウォッチで時間を計りながら練習、ということをいろいろなテーマについて繰り返せば、スピーチの組み立て方や時間の感覚はできあがっていきます。一人でもできますが、できれば誰かに聞いてもらって(英検の形式を知っている人の方がいい)、最後はその場でテーマを与えてもらって即席スピーチをできるようにした方がいいです。

 受けてみて思うのですが、この二次試験って点数化して合否をわけるのは、なかなか難しいところがあると思います。選んだテーマによって組み立てやすいもの組み立てにくいものがあるし、少々難しいことにチャレンジした人と優しい言葉ですらすら喋った人を、公平に満足行くように評価するのは難しいだろうし、スピーチの形式を型どおりに守った方がいいのか自分の喋りにしたほうかいいのか、また自分の意見が入るわけですが、もしも受験者がかなり一般の人と隔たった意見の持ち主だったときはどう評価するのかetc.考えていくと、この二次試験の合否には不満の声があるのももっともだと思います。一次に受かれば4回チャンスがあるわけですし、試験官もたくさんいるわけで、そのうちにテーマと試験官とがいい組み合わせになることがあるだろうといったところでしょうか。